身体の基本知識2
前回に引き続き身体について書いていきたいと思います。
今回は、第2段として、筋肉、腱、腱鞘、靭帯について書いて参ります。
1.筋肉について
筋肉は、体を動かすことにおいて重要な役割を持っております。
A.筋肉の種類
筋肉には、各関節の運動を行う[骨格筋]、内蔵を動かすための[平滑筋]、心臓を動かすための[心筋]とがあります。
これら3つの筋肉には、さらに意識的にコントロールが可能な[随意筋]、意識ではコントロールができない[不随意筋]とに分類することができます。
骨格筋は、自信でコントロールが可能な随意筋となります。
心筋と平滑筋は、自信ではコントロールできない不随意筋として自律神経の支配で運動の調節がされております。
なお、自律神経については、神経系のブログにいろいろ書いて参りますのでそちらをご参照下さい。
B.骨格筋
※一般的にいう筋肉は、骨格筋を示すことが多いですし、ここからは骨格筋を中心に書いて参ります。
骨格筋は、骨から骨へと付着して関節を跨ぐことにより、その関節を動かすことができるのです。
例外として、目の回りの筋肉などは関節ではなく眼球を動かしたり、その他にもいくつかの例外もあります。
a.起始と停止
筋肉が骨へ付くところであり、筋肉が始まる付着部を起始といい、終わる付着部を停止といいます。
b.屈筋群と伸筋群
・屈筋群
各関節を曲げる役割を持つ筋肉となります。
・伸筋群
各関節を伸ばす役割を持つ筋肉となります。
これら屈筋と伸筋は、大抵は表裏の部位にあり、拮抗に働くことで姿勢を維持したり体を動かすことが可能となります。
また、バランスとして屈筋群の方がやや収縮力が強く、鍛えるにも鍛えやすい特徴があります。
2.筋繊維
筋肉は、筋繊維と呼ばれる2種類の繊維からできており、太い繊維の中へ細い繊維が滑り込むことにより収縮することによって関節を動かしています。
A.筋繊維の束
一般的な骨格筋は、筋繊維を束にしたような形となっており、身体の部位により、束ねた形はまちまちとなります。
解り易い例えとしては、ゴムを何十本も束ねた感じで、両端を固めたような形をしております。
上腕二頭筋や大体四頭筋といった筋肉がありますが、この○頭筋は、数字の分に頭が分かれている筋肉に付けられた名称となります。
B.赤筋繊維と白筋繊維と筋トレ
簡単にいうと長距離走向きか短距離走向きかということとなります。
これらは、ある程度筋トレのやり方次第で鍛えることは可能となりますが、生まれ持った質もあります。
つまり、赤と白の比によってご自身の筋肉の質となるのです。
ある意味では、それも含めて素質といえるのかもしれませんね!
a.長距離走向きタイプ
赤筋繊維(遅筋繊維)という筋繊維で、持続力に特化しており、筋トレとかでは負荷をかけるようなものではなく、筋肉は付きにくいが落ちにくいといった特徴があります。
いわゆるマラソン選手のようなしなやかな筋肉となります。
つまり中長距離ランナーにはこちらの筋肉を増やすようにすることが大切となり、ガンガン短距離を全速力で走り込むよりゆっくりと長い時間をかけて鍛えていく必要があります。
b.短距離走向きタイプ
白筋繊維(速筋繊維)という筋繊維で、瞬発力などいわゆるパワーに特化しており、筋トレとかでは負荷をかけてやるウエイトトレーニングなどで鍛えることができます。
筋肉は付きやすいが落ちやすいといった特徴があります。
いわゆる短距離選手のようなムキムキ筋肉となります。
その究極系がボディービルの選手の方々となるんだと思います。
なお、鍛えて筋肉が増えたように感じるかもしれませんが、赤筋繊維も白筋繊維も繊維の本数が増えるのではなく繊維一本一本が太くなるため筋肉が増えたように見えるのです。
3.腱と腱鞘
腱があるところには、必ず鞘である腱鞘もあり、腱は筋肉の起始停止部には大抵存在します。
A.腱
骨に着く起始部や停止部においては、細いヒモのような腱となって骨へと付きます。
代表的な例としては、アキレス腱が有名ですが、アキレス腱はふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の停止部の腱となります。
恐らく、一般の皆さんが言うところのスジはこの腱を指すことが多いように感じますね(笑)
牛すじ煮込みとかも大抵は腱の部分を使っていることが多いですよね?
たまにお肉の部位が紛れていることもありますが・・・
また、筋肉は筋組織、腱は結合組織となり組織てきにも一応は別物となりますが、筋肉と腱の移行部で繋がっております。停止部が近づいたところからだんだん細くなりヒモのようになって付くといったイメージとなります。
B.腱鞘
腱の周りで滑膜包が細長くなっており、パイプのように包んでいる部分を腱鞘といいます。
刀の鞘のようになっており、繰り返しの動きによる腱同士が直接擦れたりするのをガードする役割があります。
4.靭帯について
靭帯は、関節において骨と骨とを結合したり、関節を包む関節包の一部となって関節の動きを制限し、関節のズレを抑える働きを持つ結合組織(主にコラーゲン)でできております。
全身のあちらこちらにあり、若干の弾力性を持ち関節の動きに合わせて多少伸び縮みしますが、無理してしまうと弾力性を失なうこともあります。
5.筋肉痛について
A.筋肉痛のメカニズム
筋肉痛とは、運動や刺激などにより、筋繊維のうちの何本かが、潰れてしまったり、切れてしまった状態となります。
それにより、血液循環の悪化し、疲労物質や発痛物質でもある乳酸の排出が阻害され、蓄積することで痛みやダルさが生じてきます。
B.筋肉痛と筋肉の強化
筋繊維の傷ついた部位が、修復される過程において、ヒトの持つ自然治癒力によって、筋繊維が太くなるように修復されます。
つまり、傷つき、修復するといった過程を繰り返すことによって、筋肉を鍛えることができるのです。
その為、運動による筋肉痛は、悪いことばかりではありません。
痛みやダルさを伴ったりするので、酷い筋肉痛を避ける為のメニュー作りとかも大切となります。
さらに、筋肉を鍛える上では、そういった筋繊維の修復をするための休息もかなり大切ですね。
C.揉み返し
マッサージなどによる揉み返しも筋肉痛の1つであり、基本的には心配はありません。
運動による筋繊維を、酷使して傷ついたわけではない為に、鍛えられるわけではありません。
原因
・過剰な刺激による施術
・筋肉の繊維に対して切るような手技
・マッサージなどの刺激に対する慣れ
これらの原因により起こります。
なお、揉み返しは、筋肉痛同様数日すると治ります。
ここまで第2段として、[筋肉について]色々と書いて参りましたが、これらのことをちょっとした雑学として頭の片隅にでもおいといて頂けると幸いです。
次回は、第3段として、血管やリンパのことについて書いていきたいと思います。